「ケンタッキーナイト」         ’99年12月24日


ケンタッキーナイト

 12月は妻も仕事柄忙しくなります。
 夕食の支度をするのもなかなか大変です。
 それで私や娘の久美子が交代で食事の用意をしました。
 私が作るものなどはナベやカレーばかりですから、料理というほどのものでもありません。
 けれども不思議なことにクリスマスが近づいて来て、家の外が寒くなるとケンタッキーフライドチキンが食べたくなります。
 それである夜、フライドチキンを食べることにしました。
 フライドチキンが届いたとたんにしし丸達がそわそわし始めました。
 鶏肉が大好きだからです。
 ですからフライドチキンの配達を頼む時にはしし丸達が食べる分も勘定に入れなければなりません。
 しし丸に一つ、モコに一つ、メリーに二つというふうにです。
 特にメリーは鶏の胸肉が大好きですから二つなのです。
 こうしてフライドチキンを頼んだケンタッキーナイトはメリー達が最高に盛り上がる夜なのです。
 そして、今夜はクリスマスイブです。
 私の家でも妻が鶏の丸焼きを買って来て、電子レンジで温めました。
 メリー達が大喜びをするものと思っていたので、いそいそと胸肉をむしり取ってやりました。
 ところが、しし丸やモコは鶏肉にまるで興味をしめしませんでした。
 鶏肉が大好きなメリーでさえ、ふんふんと匂いを嗅いだだけで口をつけようともしません。
 もちろん、丸焼きはすべて私達で食べてしまいましたが、期待はずれでがっかりしたクリスマスイブでした。  

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